続キロクマニア

おいしいもの たのしいこと まいにちのきろくです

松坂屋の創業者の別邸は、和洋折衷かつエキゾチックなのです

キロクマニアは
現在6月初旬、名古屋にきております
今回、無計画のまま来てしまったのですが
ブラブラとしていたら
こんなところに辿り着きました
 
 
なんだか素敵な洋館が現れましたよ
「聴松閣」という建物なのだそうです
 
この辺り一帯は
松坂屋の創業者・伊藤次郎左衛門祐民の別邸だったそうで
こちらの聴松閣の他にも
様々な建造物が残されているのだそうです
 
ではでは行ってみましょう
まずは「聴松閣」から
 
 
聴松閣は、昭和12年に竣工した建物で
迎賓館のような役割をしていた建物だそうです
山荘風にデザインされています
 
内部は洋風、インド風、中国風、和風などなど
多くの様式のお部屋があるそうですよ

 

 
こちらは食堂です
右側の飾り棚の上には「いとう」の文字
奥には暖炉もあります
 
全てがオリジナルのまま、というわけでなく
あちこち修復や復元がされているようですが
とってもキレイですね
 
 
2階のお部屋です
書斎だったお部屋だそうですよ
市松張りのプラスチックタイルがモダンな印象です
書棚や照明は造り付けのものだそうですよ
 
こちらの建物は
昭和20年から7年間GHQ将校の寄宿舎として
使用されていたそうで
本棚の中にカービン銃を置いていた台なども残っています
 
 
2階からの眺めです
 
 
こちらは旧応接室
英国山荘風に装飾されたお部屋です
昭和初期の写真に基づいて
暖炉のマントルピースや、可愛いオウム柄のクロスなどが
復元されたのだそうです
 
 
「聴松閣インスタレーション」というイベント?
やっていましたよ
揚輝荘の北園で伐採、剪定された竹
竹落ち葉を用いて
森の妖精がいたずらしたように構成されているそうですよ〜
 
 
こちらは、旧舞踏場のソファ
舞台などもあり、小さいながら
舞踏場が2つもあるんです
 
 
祐民が愛用していたシルクハットとケースです
ケースには、アメリカなどをはじめ
様々なホテルのステッカーが貼られています
随分たくさん、海外旅行をされたそうですよ
 
 
なかでも
昭和9年にインドの仏跡巡礼の旅では
大いに感銘を受けたそうです
その時通訳として同行していた
インドからの留学生バルク・ハリハランが
インド古代美術の最高傑作「アジャンタ石窟の壁画」を
模写して、壁画として表現したものが残されています
 
 
インドのタージマハルのような
石が埋め込まれた柱の装飾もあります
 
 
まるで外国を旅してる気分です
お祈りのためのお部屋や
カンボジアのアンコールトムの彫刻を模した暖炉など
エキゾチックなお部屋がとっても素敵です
 
 
なかでも、私が一番ワクワクしたのは
なんといっても「地下トンネル」です!!
 
以前は、有芳軒という建物まで繋がっていたそうですが
今はマンション建築のため、潰されてしまったそうです
先の出入口には
五色玉石針の欄干と
「聴泉窟」と掘られた石盤があったそうです
 
戦時中は防空壕としても使われていたそうですが
本来の建設目的は不明なのだそうですよ!
 
すごいですよね!映画の世界!
やっぱりお金持ちだから
こういうの作っちゃうんだね
 
では、「聴松閣」まだまだ見所ありますが
ご紹介はこの辺で置いておいて
ちょっと外へ出てみましょう
 
 
これは「いとう丸」という商標で
伊藤家を表徴する藤を
組織と団結を表す井桁と、完全を意味する円で囲んだもの
なのだそうですよ
 
昭和5年(1930年)竣工の「伊藤銀行本店」の
ビル正面に飾られていたものだそうです
ちなみに伊藤銀行は
愛知銀行、旧名古屋銀行と合併し、東海銀行になったそうです
 
 
マンションの間の細い道を通って北園にやってきました
こちらは「伴華楼」という建物
呼び方がバンガロウ
ダジャレかよ!みたいな名前です
 
尾張徳川家から移築した座敷と茶室に
西洋風の洋間を新築して1軒に組み合わせた建物です
設計は名古屋の近代建築の巨匠・鈴木禎次で
なんと夏目漱石の義弟だそうです
 
 
建物内に入ることはできませんでしたが
1階部分は外から少し眺めることができます
 
 
不思議な建物ですね〜
 
 
すぐそばには、「豊彦稲荷」
昭和2年、京都にあった御所稲荷を勧請したものだそうです
 
 
自分の別邸内で、神社詣も出来るなんて!
 
 
こちらは、北園のお庭にある「白雲橋」です
屋根付きの橋で
修学院離宮の千歳橋の写しと言われていますが
屋根は千歳橋はこけら葺きなのに対し
こちらは緑釉瓦で、一部銅板葺きなのだそうです
 
 
橋は今は渡らせてもらえませんが
時々音楽や舞踏などのイベントも行われてるそうです
 
 
この白雲橋の天井には
祐民が描いたとされる竜の墨絵があります
没後70年経って
逆さに見ると冠をかぶった女性に見える、ということで
隠し絵ではないか、と言われているそうですよ〜
 
四角く仕切られた右下の部分
逆さに見えると
確かに目を伏せた女性の横顔のように見えます
 
 
こちらは池の辺りに建つ「三賞亭」です
これは茶室として使われていたそうです
名古屋での茶道の発展にも大いに尽力していたそうですよ
 
 
中に入ることはできませんでしたが
今でも使われることがあるそうです
 
 
お庭もとても綺麗でした
 
全く予備知識なしに訪れましたが
とても見応えがありましたし
良いお散歩にもなりました
 
楽しかったです!