続キロクマニア

おいしいもの たのしいこと まいにちのきろくです

東洋陶磁器美術館で新しい世界を知る

キロクマニアは
あいも変わらず6月大阪です


こんな美術館があるなんて全然知らなかった
中之島、公会堂のすぐ前にある
大阪市立東洋陶磁器美術館」です


もう終わってしまっているので、またまた申し訳ないのですが
今年4月1日から6月30日の間に開催されていた特別展
「文房四宝」を見てきました

文房具好きなら見ておきたいですねw
いや、ちょっと古典が過ぎる感じですが…
いろいろ興味深い展示もありましたので
せっかくなので、少しご紹介です


これは展示品でなく、ただのプリントですが
冊架図という張漢宗の作品です
京畿道博物館というところの所蔵だそうですが
今回の展示に相応しい絵ですよね


こちらはね、朝鮮時代の水滴というものです
皆様は水滴、というものはご存知ですか?
自分は書道をしないので
なんのことだか、全然行ってみるまで知らなかったのですが
これらは墨をするときに水を加える道具です
道具であり、装飾品でもあり
実に様々な形のものがあるんです!


大きさ自体はとても小さく
だいたい3センチとか5センチとか(アバウトです)
とっても可愛らしい動物形
愛嬌があって、表情もとぼけていて
私も水滴には、ちょっとハマりました〜〜


水滴は、コレクター魂をくすぐりますね
だいたいこの辺りは18世紀から19世紀のもので
めっちゃ可愛いです


これはシンプルな箱形です
他にも果実形、山形、家形などなど


ほんとどれも見ていて楽しいです


「青花鉄砂 葡萄山水文 八角形水滴」という作品で
1783年のものだそうです
こちらはかなり大きくて、横幅は20センチほどあるんです
瀟湘八景図が八面を使って描かれていて
朝鮮水滴の代表作のひとつなのだそうです

私は持ち手の龍と
注ぎ口のトカゲがお気に入りですw


これは、「青磁彫刻 童女形水滴」で
12世紀の高麗時代のものだそうです
頭の飾りのハスの蕾を外して水を入れ
童女の抱える水瓶が注ぎ口になっているそうです
すげ〜〜〜ですね


重要文化財の「青磁象嵌 童子宝相華唐草文 水注」
もう展示品が多すぎて
とても紹介しきれる量ではありませんので
ちょっと文化財的なものを載せていきますね
ちなみにこちらの美術館は
どこも撮影OKなんです


あ、これ、重要文化財などではないんですが
「鉄砂 虎鷺文 壷」という
17世紀考案の作品です

描かれている虎の顔が面白すぎて
個人的にお気に入りw


ちょっと壷に行っちゃったので
文房四宝らしい作品も

「堆朱牡丹文筆」
明時代初期のものだそうです


こちらは「堆朱楼閣人物文筆」と行って
先ほどと同じ、明時代初期のもので
とってもとっても細かい彫りがされています


こちらは彫刻の施された筆ではなく絵と象嵌です
「彩漆金銀象嵌花鳥文筆」
黒漆の地に、太湖石と花鳥文が色漆で描かれ
鳥の羽は白漆
花の部分は金銀の薄板で象嵌してあるそうです
なんとも華やかですねぇ〜


これは、なんと墨、です!
「御印墨」という漢時代のものだそうです
すごいですよね〜豪華すぎです
使えるの??って感じです


こちらは「方于魯銘魚符墨」というもので
明時代末期のものだそうです
魚符は割符の一種で、それを模して作られたのだそうで
両面がぴったりと重なり合います
尻尾部分は使われて無くなってます

他にも、クワイの形の墨なんかもあるんですよ〜


そして、墨といえば、硯
大胆な形や、自然の形をそのまま活かしたものなど
いろいろ展示されていました

これは明時代の「子石天然硯」
水中で採掘された石に、少し手を加えただけのものです


「狻猊硯」明時代中期のものです
狻猊は獅子の別名とも言われています
側面は石皮がそのまま残されています

硯は、他の水滴や筆などと比べて
とてもダイナミックなものが多い気がしますね〜


これ!すごくないですか!
まるで本物の枯れ葉のようですが筆を洗うための道具です
「朱三松銘竹根刻荷葉形筆洗」です
蓮の花と枯れた葉を象っていて
葉の先には、蛙がいてるんです

材質は名前にもありますが、竹の根です
こんな作品が作れるんですね!びっくりです!


こちらは筆を置く筆架です
こちらは鯱が象ってあり、大きさは5センチほど
「寿山石鯱形筆架」というものです


「 石榴紅獅子鈕印」
漢時代中期のいわばハンコです
高さは6.5センチほど
この紅色が高山石では珍しいのだそうですよ


ちっこいのに細かくて可愛い
「田黄獅子鈕印」
幅は3センチほどです
田黄というのは、最高級の印材
その田黄の中でも「印材の王」と呼ばれるような
良質のものを使っているのだとか


そして、今度は常設のもの?なのか
木葉天目 茶碗」です
本物の木の葉が焼き付けられているので
こう呼ばれているのだそうです

こちらの木葉桑の葉
禅に通じるという精神があるのだそうです

12世紀〜13世紀の南宋時代のもので
加賀前田家に伝来したものだそうで


最後は、国宝を!
「油滴天目 茶碗」
こちらも南宋時代のものです

福建省にある建窯で焼かれたもので
水面に浮かぶ油の滴のように見える金・銀・紺の斑点が
名前の由来だそうです
かつては豊臣秀吉が所持し
その後、西本願寺、京都三井家、若狭酒井家に伝来しました
ちなみに重さは349gだそうです


そして、こちらは特別展とは関係がないですが
沖正一郎コレクション
「鼻煙壷」コーナー
なにそれ、鼻煙壷???
なんでも嗅ぎ煙草を入れて置くための容器だそうです
とっても小さいのに
とっても細かい絵付や彫刻が施され
とっても綺麗です!
これもコレクター魂をくすぐるアイテムですね


想像よりずっと見応えがあって
ものすごく時間がかかってしまいましたw
後半はちょっと飛ばし気味でしたが
興味のある方には
たまらない内容ですね!!

ワタシも知らなかった新たな世界を覗き見て
とても楽しかったです!!
蚤の市で、水滴でも集めるか〜〜w